国家発展委員会（以下、国発会）が計画した「台湾新創東京基地」は、昨年9月の設立以来、まもなく1周年を迎えます。この1年間で20回以上のイベントを開催し、190の投資機関と接触し、750件以上のビジネス交流の機会を創出するなど、台湾の新創企業の海外市場開拓を成功裏に支援してきました。
東京大学、三菱グループとの連携、2つの台湾新創が1億円の補助金を獲得
台湾の新創企業が国際市場を拡大するために、国発会は海外新創基地を設立し、イノベーションの推進者および国際的な架け橋としての役割を果たしています。現地のリソースをつなぎ、新創エコシステムの連携を拡大しています。
近年、台湾の新創企業が日本市場に高い関心を示しているため、東京基地の設立は重要な意義を持っています。企業登録の支援、投資の紹介、ビジネス協力、IPO（新規株式公開）の支援などの常態的なサポートに加え、東京基地は現地交流も促進しています。
過去1年間で、東京基地は20回以上のイベントを開催し、東京大学や慶應義塾大学などの日本のトップ大学の学生との座談会や投資家交流会を行いました。また、三菱グループとの協力覚書（MoU）を締結し、企業アクセラレータープログラムの推進など、日本企業とのパートナーシップを積極的に構築しています。
東京基地は1年の間に14の新創企業にビジネスチャンスを提供しました。例えば、アジア準訳（APG）と牙e通（dentall）は、東京都政府から1億円の補助を受けた2つの新創企業です。
アジア準訳（APG）は日本に子会社を設立し、感染病原体の遺伝子配列決定技術を日本に導入した初の台湾新創企業となり、Illuminaなどの国際的なパートナーと協力してmNGSの臨床応用を推進し、感染診断の効率と精度を向上させています。クラウドクリニック管理システムとAI支援診療ツールを提供する台湾の新創企業牙e通は、2024年度に東京都政府から1億円の補助を受け、日本でAI歯科システムの導入を進めます。
5つの戦略で台湾のイノベーションと起業のジャングルを構築
このイノベーションの流れを継続するために、今後国発会は各省庁のリソースを結集し、5つの戦略に焦点を当てます。
百億テーマ型投資でイノベーション資金を活性化：国発会は経済部や国科会などと協力し、デジタル、ゼロエミッション、AI、グリーン成長、スマートロボットなどの重要産業に対して、各100億台湾ドルのテーマ型ファンドを設立します。また、軍需、大健康、スポーツの3つの分野を次の重点投資目標として追加することを発表します。
起業コンペを実施し、投資対象を拡大：国発会は全国規模の「起業開花－起業大連盟コンペ」を開始し、100の地域型および地方型の優良チームを選出し、起業支援金を提供します。
包括的なトレーニングを提供し、新創の成功率を向上：国発会は、起業チームの専門能力と市場適応力を体系的に向上させるため、より包括的な起業トレーニングを提供し続けます。これは、前述の「起業開花－起業大連盟コンペ」のトレーニングセクションと相互補完的であり、新創の体質を多面的に強化することを目的としています。
海外基地が国際市場をつなぐ：国発会は東京とアメリカのシリコンバレーにある2つの海外新創基地を、台湾の新創企業が国際的に進出するための重要な架け橋として活用し、より大規模な投資と市場機会を獲得します。
省庁横断的な新創全ライフサイクルプラットフォームを推進し、友好的な起業環境を構築：国発会は、新創企業の初期段階から成長拡大までを支援する一体型のプラットフォームを推進し、より友好的で完璧な起業エコシステムを構築することに努めます。最終的な目標は、イノベーションと起業を通じて台湾の関連産業の発展を促進し、引き続きイノベーションと起業を奨励し、台湾がグローバル競争で先頭に立つことを可能にすることです。
「新創全ライフサイクルプラットフォーム」とは、台湾の新創企業が海外市場に進出するだけでなく、海外で成長するのを支援することを指します。国発会は8月25日に東京都政府および日本貿易振興機構（JETRO）と共同で開催した第4回「台日イノベーションサミット」で、企業の創投（CVC）やM&Aをテーマに、新創企業の成長を促進するためのさまざまな戦略とリソースについて議論しました。
新創エコシステムの育成には時間がかかりますが、海外基地は重要な拠点として、さまざまなソフトプログラムやリソースの投入と相まって、台湾の新創企業が国際市場で多方面に開花するのを助けるでしょう。
